
在宅副業で活かす!士業専門職の補助業務5選|税理士・司法書士・キャリア系まで徹底解説

4項:在宅副業で活躍する採用・キャリアコンサルタントの職務内容とスキル
在宅副業として採用・キャリアコンサルタントに興味をお持ちの方必見!
最近注目を集める在宅副業としての採用コンサルタント、キャリアコンサルタントについて知っていますか?
その職務内容と必要なスキルについて解説します。
採用コンサルタント、キャリアコンサルタントとは
初めに、採用コンサルタント及びキャリアコンサルタントとは何かを説明します。
採用コンサルタントの役割と仕事内容
1)企業向けのサービス
・主に企業の採用活動をサポートする専門家です。
・採用戦略の立案、求人票の作成、採用プロセスの最適化、面接の実施、候補者の評価と選定などを行います。
・企業のニーズに基づき、適切な人材を探し出し、紹介します。
2)ヘッドハンティング
・特定のスキルセットや経験を持つ人材を直接アプローチし、転職を勧誘することもあります。
3)市場調査と分析
・労働市場の動向を分析し、企業に対して適切な採用方針を提案します。
4)求職者のサポート
・必要に応じて、求職者に対して応募書類の作成や面接の準備をサポートすることもありますが、主な顧客は企業です。
キャリアコンサルタントの役割と仕事内容
1)個人向けのサービス
・主に個人のキャリア開発や職業選択をサポートする専門家です。
・キャリアの方向性や目標設定、職務経歴書や履歴書の作成支援、面接対策、転職活動のサポートなどを行います。
2)キャリアプランニング
・長期的なキャリアプランの作成を支援し、必要なスキルや資格の取得に向けた計画を立てます。
3)心理的サポート
・職場でのストレスやキャリアチェンジに伴う心理的な不安を軽減するためのカウンセリングを行います。
・教育・研修
・キャリアアップに必要なスキルや知識を提供する研修やセミナーを企画・実施することもあります。
2つのコンサルタントの違い
両方のコンサルタントの違いを簡単にまとめてみました。
対象とするのは、採用コンサルタントが主に企業を対象として企業の採用活動を支援するのに対して、キャリアコンサルタントは主に個人を対象とし、個人のキャリア開発を支援します。
すなわち、採用・キャリアコンサルタントは、求職者と企業とのマッチングをするためのプロフェッショナルです。
業務内容は、前者が企業の求人活動、採用プロセスの最適化、人材紹介、ヘッドハンティングなどであり、後者が個人のキャリアプランニング、カウンセリング、転職支援、教育・研修などです。
目的は、前者が企業が必要とする人材を効率的に採用し、企業の成長をサポートすることに対して、後者は個人が満足のいくキャリアを築くための支援を提供し、職業的な充実感を得られるようにすることです。
以上が、採用コンサルタントとキャリアコンサルタントの主な違いです。
どちらも人材に関する専門職ですが、対象とするクライアントや業務内容が異なります。
次に採用コンサルタントおよびキャリアコンサルタントの資格取得方法や条件について説明します。
採用コンサルタントに推奨される資格や経験
採用コンサルタント資格は、国家試験に基づくものではなく、一般社団法人総合経営管理協会が認定する専門職能資格です。
詳しくは、
⇒ 一般社団法人 総合経営管理協会|採用コンサルタント講座 (sogokeiei.or.jp) 及び コンサルタントチラシ表最終 (sogokeiei.or.jp)
で確認頂けます。
参考までに、以下のような資格や経験が受験と合格に役立つことをお伝えしておきたいと思います。
1)人事関連の資格
・人事労務管理士: 人事・労務に関する知識を証明する資格です。
・社会保険労務士: 労働社会保険に関する専門的な知識を有する資格で、採用業務の一部に関与することもあります。
2)経験
・人事部門での実務経験: 特に採用業務の経験が重視されます。
・営業やマーケティングの経験: 採用活動には企業や候補者との交渉力が求められるため、営業やマーケティングの経験が役立ちます。
3)関連するトレーニングや研修
・採用に特化した研修プログラムやトレーニングコースを受講することが推奨されます。
キャリアコンサルタントに必要な国家資格と取得方法
正式なキャリアコンサルタント職には国家資格が必要で、次の要件を満たす必要があります。
1)受験資格
・学歴・職歴に関する要件を満たしていること(例:大学卒業後に2年以上の職務経験、または高卒後に3年以上の職務経験)。
2)養成講習の受講
・厚生労働省が認定するキャリアコンサルタント養成講習を受講する必要があります。
養成講習では、キャリアコンサルティングに関する基礎知識やスキルを学びます。
3)国家試験の合格
・キャリアコンサルタントの国家試験に合格する必要があります。
試験は学科試験と実技試験(面接試験およびロールプレイング)で構成されています。
4)登録
・試験に合格後、キャリアコンサルタントとして登録する必要があります。
5)継続的な教育
・資格取得後も、キャリアコンサルタントとしてのスキルを維持・向上するために、継続的な教育や研修を受けることが推奨されます。
キャリアコンサルタント試験についての詳細は、厚生労働省の次のページで確認頂けます。
⇒ キャリアコンサルタントになりたい方へ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が登録した次の登録試験機関が行います(平成28年4月1日現在2機関)。
・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
関連資格キャリアコンサルティング技能士について
「キャリアコンサルティング技能士」とは、厚生労働大臣から指定試験機関としての指定を受けた特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が実施するキャリアコンサルティング技能検定(国家検定)試験に合格した人。
キャリアコンサルティング技能検定では実務経験年数が受検要件として設定されており、キャリアコンサルティング技能検定が求める能力水準は、キャリアコンサルタント試験が求める能力水準の上位に位置づけられます。
具体的には、実務経験を積んだ後に取得を目指すことができ、キャリアコンサルティング技能士1級は指導レベル、2級は熟練レベルとして位置づけられています。
⇒ キャリアコンサルティング技能検定の詳細はこちら (厚労省サイト)
上記の3つの資格取得方法については、別の機会に詳細を紹介したいと思います。

在宅副業求人サイトIndeed での「採用コンサルタント、キャリアコンサルタント」検索案件事例
それでは、恒例になりました、求人サイト Indeed で「採用コンサルタント」「キャリアコンサルタント」案件を、アルバイト・パート、在宅リモートを条件として検索し、提示された例を1件ずつ紹介します。
「採用コンサルタント」案件例:スタートアップの採用コンサルタント
<募集の背景>
スタートアップ企業の経営コンサルティングを手がけている会社。
社員12名、学生インターン20名弱で構成し、全員リモートワークで基本的にはスケジュールの管理は自身に委ねている。
資金調達事業がメインだが、その後のフォローアップとして採用・広報・M&Aなど多角的に事業を展開中。
中でも採用へのニーズが急増しており、新たに人事コンサルタントのポジションを増員。
「これまで人事をやってきたけれど、家庭の都合でフルコミットは難しい」
「ライフワークバランスを考慮しながら、経験を活かせる仕事がしたい」
「1つの会社の人事にとどまらず、多くの企業と関わるなかでスキルの幅を広げたい」
といった方にはピッタリのポジション。
【 具体的な業務内容とニーズの背景】
規模の小さいスタートアップ・ベンチャー企業では、専任の人事ポジションが不在であるケースが多く、また人事にまつわる知見・経験も少ないことから採用に苦戦している企業が非常に多いのが実情。
そうした企業の外部人事として以下のようなRPO業務を担い、クライアントの事業成長の加速に貢献する。
・人事戦略の立案
・採用計画の策定
・採用手法の決定
・クライアントと伴走したリクルーティング活動
・人事制度の見直し・策定等
しかし、なるべく負担なく働いていただけるよう、勤務体制としては先輩社員と二人三脚で1つのチームとしてスタートアップの伴走支援を実践。
【求める人材と応募要件】
・人材系企業の営業または運用担当をしていた方で、採用業務を自己完結する力がある方
・人事の経験がある方で、多様な業界のビジネスモデルやポジションについて興味・関心がある方
のどちらかに当てはまる方で
・自分の仕事に責任をもって業務を全うできる方
・ 1つ1つの仕事を丁寧に進めることができる方
・型にハマることなく、変化に柔軟で様々な事柄に対して興味・関心を持ちチャレンジする意欲のある方
<勤務形態・条件>
・1日3〜4時間・週20時間程度の稼働を想定
・勤務スケジュールは自由に組み立て可能
・基本的にはフルリモート、テレワーク・在宅OKで、出社(浜松市)は不要
・時給1,300円〜2,000円
・試用期間:3か月、試用期間中の労働条件は同条件
「キャリアコンサルタント」案件)職業訓練校のキャリアコンサルタント
【仕事内容】:職業訓練校のキャリアコンサルタントとして、幅広い業務を担当
<主な内容>
・キャリアコンサルティングの実施
・ジョブ・カードの作成支援
・書類(キャリアコンサルティング及び就職支援記録簿)の作成
・履歴書の添削
・面接の相談
・講師との連携およびサポート
各受講生に対して、1ヶ月に1回キャリアコンサルティングを実施
<求める人材>
・キャリアコンサルタント資格(能開法第30条の3に規定するキャリアコンサルタント)
・キャリアコンサルティング技能士(1級または2級)
・能開法第28条第1項に規定する職業訓練指導員免許
以上のいずれかの要件を持つ方
<付加事項>
・事務業務も対応できる方(データ入力、電話対応、書類作成など)
・出社できる方(※在宅勤務ご希望も応募可能)
・1ヶ月12時間以上確保できる方
<アピールポイント>
1)多様な経験が積める環境
10代から60代まで、幅広い年齢層の受講生と接することで、多様な視点と経験を得ることができ、多くの受講生と関わりながら、自然とキャリアカウンセリングのスキルを磨いていくことができる環境
2)在宅勤務可能な柔軟な働き方
3)やりがいと社会貢献
受講生のキャリア形成を支援し、その成功を共に喜び合うことで、社会に貢献するやりがいを感じることができる。
受講生の未来をサポートすることで、自身の達成感を得ることができる。
<勤務条件・雇用形態等>
・シフト制:1日1時間から柔軟に対応
・1ヶ月12時間以上確保を
・受講生と日程調整をし、キャリアコンサルティング実施日を決定
・勤務地は本社(福岡市)または在宅勤務
・雇用形態: アルバイト・パート
・給与・報酬: 時給1,500円
どちらの案件例も、ずばり、採用コンサルタントとキャリアコンサルタントとしての人材を求めるものでした。
しかし、それらの仕事の性質を考えると、完全在宅、フルリモートでの副業とすることに少し無理があるかもしれません。
但し、全国どこからでも可能とはいえなくとも、居住する地域に近い企業・事業所での募集であれば、それに近い就労条件が得られるのではと思います。

以上のこれまでの内容を参考にしつつ、採用コンサルタントおよびキャリアコンサルタントを在宅副業として行う場合の必要なスキル、メリット、および注意点について整理し、最後にもう一つ別の視点での提案を加えてまとめます。
採用コンサルタント、キャリアコンサルタントに必要なスキルとメリット、留意点
これらの視点で、以下簡潔に箇条書きレベルで整理してみました。
採用コンサルタントに必要なスキル
1)人事・採用に関する知識
・採用プロセス、面接手法、労働法に関する基本的な知識
2)コミュニケーション能力
・クライアント(企業)や候補者と効果的にコミュニケーションを取る能力
・電話やビデオ会議、メールでの対応力
3)リサーチ・分析能力
・求職者や市場動向のリサーチ、分析スキル
・応募者データベースの管理能力
4)営業スキル
・新規クライアントの開拓や既存クライアントとの関係維持のための営業スキル
5)ITスキル
・採用管理システム(ATS)やその他のリクルーティングソフトの使用能力
・基本的なオフィスソフト(Word、Excel、PowerPoint)の使用能力
キャリアコンサルタント(在宅副業)に必要なスキル
1)キャリアカウンセリングの知識
・キャリア開発、転職市場、職業選択に関する知識
2)コミュニケーション能力
・クライアント(個人)とのカウンセリングスキル
・電話やビデオ会議、メールでの相談対応能力
3)リサーチ・分析能力
・労働市場や職業情報のリサーチ、分析スキル
・クライアントの経歴やスキルを評価し、最適なキャリアパスを提案する能力
4)ITスキル
・オンラインカウンセリングツールやキャリア管理ソフトの使用能力
・基本的なオフィスソフト(Word、Excel、PowerPoint)の使用能力
5)心理的サポートスキル
・クライアントの心理的な不安や悩みに対処するカウンセリングスキル
在宅リモート採用、キャリアコンサルタント職に共通のメリット
1)柔軟な勤務形態
・在宅での作業が可能で、時間や場所に制約が少ない
2)収入の多様化
・副業とすることで、本業の他に追加収入を得ることができる
3)スキルアップ
・採用に関する知識やスキルを実務を通じて向上させることができる
在宅リモート採用、キャリアコンサルタント職に共通の留意点
1)クライアントの信頼獲得
・リモートでの信頼関係を築くために、レスポンスの速さやコミュニケーションの質を維持することが重要
2)情報管理
・個人情報の取り扱いに注意し、セキュリティ対策を徹底する必要がある
3)時間管理
・副業として行う場合、時間管理が重要。主業務とのバランスを取り、過労を避けることが必要
以上、ポイントポイントを確認頂ければと思います。
最後にまとめを兼ねて、思うところをメモしました。

副業としての採用・キャリアコンサルタントから主業・本業へ
双方の副業において成功するためのポイントはいくつかあります。
まずは、幅広い情報収集能力が必要です。
求職者や企業のニーズを把握するためには、常に最新情報にアクセスし、トレンドを把握する必要があります。
また、人間関係を構築する能力も重要で、信頼関係を築き、求職者や企業との長期的な関係を築くことで、成功を達成することができます。
採用・キャリアコンサルタント職双方とも在宅での勤務が可能ですが、在宅副業には自己管理能力やコミュニケーション能力など適切なスキルや多くの要素が必要です。
しかし、その分やりがいや成長の機会も大きいのが魅力です、充実した副業として成り立ちます。
この第6章の士族(士業)業務補助として前回まで取り上げてきた職種は、士業資格保有者の補助業務を担当するものでした。
しかし、今回の採用コンサルタント・キャリアコンサルタントどちらも、自らその業務を担って実践するものです。
従い、資格を取得してからの仕事の仕方は、他に本業を持ち副業として資格を活かして実践することが一つ、もう一つは、副業を転換して、本業に転換する方法、起業する方法です。
副業として行う場合は、求人求職サイトに登録して顧客(クライアント)を募集するか、自身でWEBサイトをもって集客活動するかのどちらかになるでしょう。
ここが、他の士業業務補助と異なる点で、魅力の大きな要因となっています。
そのため、早くから自身のWEBサイトを開設し、情報収集やコンサルタントとしての業務内容のアピールなども取り組み始めておくのが望ましいと考えています。
こうした点も考えて、今回の記事を参考にして頂ければと思います。
次は、個別の士業系職種についてではなく、共通に考えうる、ある点に視点を充てて、総括的に考えてみたいと思います。
